カウンターのお店で上座はどこですか？

カウンター席の上座、その位置づけと選び方のポイント

カウンター席は、お店との距離が近く、料理や接客の様子を間近で見られる、独特の雰囲気を持つ席です。しかし、その中で「上座」と呼ばれる席があることは、意外と知られていません。上座は、単に「良い席」というだけでなく、マナーや場の雰囲気を理解する上で重要な要素です。

カウンター席の上座は、客席の配置やお店の形態によって異なります。一般的には、入り口から最も遠い席が上座とされています。これは、客席の順番を意識した配置であり、入り口に近い席は後から来た客が座る席、という考え方が根底にあります。

しかし、この考え方はすべてのカウンター席に当てはまるわけではありません。寿司店やバーといった、カウンター越しに調理や接客が行われるタイプの店では、状況が異なります。これらの店では、調理場やカウンター担当者と向かい合う席が、最も格式高い席とされています。

なぜなら、調理場やカウンター担当者と直結した席は、彼らの仕事ぶりを直接見ることができ、また、会話ややり取りにも自然と参加できるからです。これは、お客様の満足度を高める上でも、重要なポイントとなります。

さらに、カウンターの形状も影響します。円形カウンターの場合、入り口に関係なく、中心に近い席が自然と上座の印象になります。また、カウンターがL字型やコの字型の場合、その形状に合わせた適切な位置づけが必要となります。

例えば、L字型のカウンターで、入り口から最も遠い席が厨房側ではなく、お客様同士が向き合う部分であった場合は、そちらの上座と見做すことができます。 この場合、お客様とのお客様との距離感も重要になります。

重要なのは、これらの一般的なルールを適用するだけでなく、お店の雰囲気や状況に合わせて柔軟に判断することです。例えば、賑やかなバーでは、カウンター担当者との会話が弾む席が、自然と上座の雰囲気を持つ場合もあります。また、静かな寿司店では、調理場との距離がより大きな意味を持つでしょう。

さらに、混雑している状況では、どの席が上座であっても、落ち着いて席につく事が大切です。騒がしい雰囲気では、上座を意識する余裕がない場合もあります。そんなときは、店員さんに状況を伝えて、適宜席の変更を相談してみるのも良いでしょう。

状況に応じて、お店の雰囲気を読み取り、自分の立ち位置を客観的に判断することで、カウンター席の上座を理解し、より良い客間関係を築くことができるのです。 上座を意識する事は、単に「良い席」を求めることだけでなく、その場をより良いものにするための配慮と捉えるべきです。

カウンター席に限らず、様々な場面で「上座」という概念は存在します。その意味を理解し、適切な行動をとることで、円滑な人間関係を築けるのです。 上座を意識することで、より良い印象を与えるだけでなく、場の空気を読み取り、周囲への配慮を深めることができます。