赤ちゃんが巨大児になるのは何グラムからですか?

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在胎期間に対して体重が90パーセンタイルを超える新生児は「在胎不当過大」と診断されます。一般的に、正期産で出生体重が4000グラム以上の赤ちゃんを巨大児と呼びます。巨大児の原因として最も多いのは、妊娠中の母親が糖尿病を患っている場合です。

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赤ちゃんが巨大児になるのは何グラムから?知っておきたい巨大児のリスクと注意点

赤ちゃんが大きく生まれてくることは、一般的に喜ばしいことと考えられます。しかし、「巨大児」と呼ばれる、標準より著しく大きい赤ちゃんには、いくつかのリスクが伴う可能性もあります。では、具体的に何グラムから巨大児と呼ばれるのでしょうか?また、巨大児にはどのようなリスクがあり、注意すべき点はあるのでしょうか?

一般的に、正期産(妊娠37週から41週未満)で出生体重が4000グラム以上の赤ちゃんは「巨大児」と定義されます。これは、在胎期間に対して体重が90パーセンタイルを超える新生児を指す「在胎不当過大(Large for Gestational Age: LGA)」という診断基準にも関連します。つまり、妊娠週数に対して平均よりも著しく体重が大きい赤ちゃんが巨大児とみなされるのです。

巨大児の原因は様々ですが、最も多いのは母親が妊娠中に糖尿病を患っている場合(妊娠糖尿病)です。妊娠糖尿病によって、母親の血糖値が高い状態が続くと、赤ちゃんは過剰なグルコースを摂取し、それが脂肪として蓄積されるため、巨大児になりやすいと考えられています。

その他にも、母親の肥満、遺伝的な要因、多胎妊娠、以前に巨大児を出産した経験などが、巨大児のリスクを高める要因として挙げられます。また、稀ではありますが、ベックウィズ・ヴィーデマン症候群などの遺伝性疾患が原因となることもあります。

巨大児の出産には、母親と赤ちゃん双方にリスクが伴う可能性があります。

母親のリスク:

  • 難産: 赤ちゃんが大きすぎるため、経膣分娩が困難になり、帝王切開になる可能性が高まります。
  • 肩甲難産: 分娩時に赤ちゃんの肩が母親の恥骨に引っかかり、娩出が困難になることがあります。これは、赤ちゃんの腕神経叢損傷や骨折、母親の会陰裂傷などのリスクを高めます。
  • 産後出血: 巨大児の出産は、子宮の収縮が不十分になり、産後出血のリスクを高めることがあります。

赤ちゃんのリスク:

  • 低血糖: 出生後、母親からのグルコース供給が途絶えることで、低血糖になるリスクがあります。
  • 呼吸窮迫症候群: 特に早産で巨大児の場合、肺の発達が未熟なために呼吸困難になることがあります。
  • 多血症: 赤血球が過剰に増加し、血液が粘稠になることがあります。
  • 将来的な肥満や糖尿病: 巨大児として生まれた赤ちゃんは、将来的に肥満や2型糖尿病を発症するリスクが高まるという報告もあります。

巨大児のリスクを軽減するためには、妊娠中の血糖コントロールが非常に重要です。妊娠糖尿病と診断された場合は、医師や栄養士の指示に従い、食事療法や運動療法を行い、必要に応じてインスリン療法を受けることが大切です。

また、妊娠前から健康的な体重を維持し、妊娠中も適切な体重増加を心がけることが、巨大児のリスクを軽減する上で重要です。定期的な妊婦健診を受け、医師と相談しながら、安全な妊娠・出産を目指しましょう。

巨大児として生まれたとしても、適切なケアを受けることで、ほとんどの場合、健康的に成長することができます。しかし、上記のようなリスクがあることを理解し、医師や助産師と連携しながら、慎重な経過観察を行うことが重要です。不安なことや疑問があれば、遠慮なく医療機関に相談するようにしましょう。

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