「していただきたいと思います」は敬語ですか?

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「していただきたく存じます」は、「してほしい」という願望を非常に丁寧に表現した敬語です。相手への敬意を強く示し、控えめながらも要望を伝える際に用いられます。ビジネスシーンなど、特にフォーマルな場面に適した表現と言えるでしょう。

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「していただきたいと思います」は敬語?その微妙な立ち位置と使い分け

「していただきたいと思います」という表現は、日常会話でもビジネスシーンでも頻繁に使われる言葉です。一見丁寧な印象を与えるため、敬語の一種として認識している人も多いかもしれません。しかし、その敬語としての度合いは、状況や相手との関係性によって異なってきます。

結論から言うと、「していただきたいと思います」は、 完全な敬語とは言い切れませんが、丁寧語として相手に配慮した表現 と言えます。より正確に表現するならば、以下のように分類できます。

  • 「~たい」: これは希望や願望を表す基本的な表現です。
  • 「~ていただきたい」: 「~たい」に、相手に何かをしてもらうことへの感謝の気持ち(「いただく」)を加えた表現で、丁寧語に分類されます。
  • 「~ていただきたいと思います」: 「~ていただきたい」に、さらに丁寧な言い回し(「~と思います」)を加えた表現です。これも丁寧語に分類されます。

ポイントは、「思います」という言葉です。これは、自分の気持ちや考えを述べる際に用いられる表現であり、相手への命令や指示といったニュアンスを和らげる効果があります。そのため、ストレートに「してください」と言うよりも、相手に配慮した言い方になります。

しかし、注意すべき点もあります。

  • 上司や目上の人に対しては、より丁寧な表現が適切: 「~ていただきたく存じます」や「~ていただければ幸いです」といった表現の方が、より相手への敬意を示すことができます。
  • 状況によっては回りくどい印象を与える可能性: あまりにもかしこまった表現は、相手に不快感を与えたり、コミュニケーションを円滑に進める妨げになることがあります。特に、親しい間柄の人に対しては、過剰な敬語表現は避けた方が良いでしょう。

「していただきたいと思います」の効果的な使い方

「していただきたいと思います」は、以下のような状況で効果的に活用できます。

  • 依頼内容が相手にとって負担になる可能性がある場合: 相手の状況を考慮し、無理強いしている印象を与えないように、丁寧に依頼したい場合に適しています。
  • 社内外問わず、ある程度フォーマルな場面: 親しすぎる表現を避け、相手に失礼のないように依頼したい場合に有効です。
  • 相手の協力を得たい場合: 丁寧な言い方をすることで、相手に快く協力してもらいやすくなります。

まとめ

「していただきたいと思います」は、相手に配慮した丁寧な表現ですが、状況によってはより適切な表現を選ぶ必要があります。相手との関係性、依頼内容の重要度、そして全体のコミュニケーションの文脈を考慮して、最適な表現を選択することが重要です。状況に応じて、より丁寧な「~ていただきたく存じます」や、控えめな「~ていただければ幸いです」などを使い分けることで、円滑なコミュニケーションを築き、良好な人間関係を維持することができるでしょう。

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