「御座います」は正しいですか?

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「御座います」は、動詞「ある」の丁寧語としては誤用です。「ございます」を使うのが適切です。ただし、「有り難うございます」を「有り難う御座います」と書くのは間違いではありません。「御座います」は名詞に付いて敬意を表す場合にのみ使います。

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「御座います」は正しいか? これは、日本語学習者だけでなく、ネイティブスピーカーにとっても頭を悩ませる問題の一つです。一見すると「ございます」の古風な言い回しのように思われがちですが、その使用法は非常に限定的で、誤用も多く見られます。本稿では、「御座います」の正しい使い方と、誤用を防ぐためのポイントを丁寧に解説します。

結論から言うと、「御座います」は「ございます」の完全な代替として用いるのは誤りです。多くの人が「ございます」と「御座います」をほぼ同義語として認識しているため、この混同は非常に自然なものです。しかし、両者の間には明確なニュアンスの違い、そして文法的制約が存在します。

「ございます」は動詞「ある」の謙譲語であり、尊敬語ではありません。自分が相手に対して謙遜する際に用います。「御座います」も同様に謙譲語として解釈されることがありますが、その用法は厳格に限定されます。 「ございます」が幅広い場面で「ある」の丁寧な表現として使えるのに対し、「御座います」は名詞に付いて、その存在に対して敬意を表す場合にのみ適切です。

例えば、「お寿司が御座います」は誤用です。「お寿司がございます」が正しい表現となります。これは「お寿司」という名詞に「御座います」を付けることで、寿司の存在自体に敬意を表しているように解釈できるからです。しかし、「物が御座います」といった表現は不自然で、通常は「物がございます」またはより自然な表現を用いるべきです。

では、「御座います」が適切に使用される例を挙げてみましょう。最も代表的なのは「御座候(ござそうろう)」など、固有名詞の一部として用いられるケースです。「御座候」は本来、敬語の「御座います」と「候(そうろう)」という謙譲の助動詞が結びついたもので、非常に丁寧な表現です。他にも、古風な表現の中に「御座います」を見かけることがありますが、現代の口語ではほぼ使われません。

一方、「有り難う御座います」は、「有り難う」という名詞に対して敬意を表す表現として許容されます。これは「有り難い」という形容詞が名詞化した「有り難う」に「御座います」が付くことで、感謝の念をより深く、丁寧に表現していると言えるでしょう。 ただし、「有り難うございます」の方がより現代的な表現であり、より広く受け入れられています。

要約すると、「御座います」は名詞に付いてその存在に対して敬意を表す場合、特に固有名詞の一部として使用される場合を除き、現代の口語では「ございます」で置き換えられることがほとんどです。 「ございます」は動詞「ある」の謙譲語として広く使われ、より現代的な表現と言えます。「御座います」の使用には細心の注意が必要であり、誤用すると不自然な印象を与え、場合によっては失礼に当たる可能性もあります。 安全策として、迷った場合は「ございます」を用いるのが無難でしょう。 日本語の奥深さを理解し、適切な敬語を用いることは、円滑なコミュニケーションに不可欠です。 常に文脈を考慮し、より自然で適切な表現を選択するように心がけましょう。

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