帯状疱疹を受診しないとどうなる?

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帯状疱疹は軽症でも放置すると、激しい痛みを伴う帯状疱疹後神経痛に進行する危険性があります。個人差は大きいものの、神経痛は慢性化し日常生活に支障をきたすことも。早期発見と適切な治療が重要で、痛みや発疹が出始めたらすぐに皮膚科を受診し、医師の指示に従いましょう。重症化を防ぎ、後遺症リスクを軽減するためにも、早期治療が最善策です。

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帯状疱疹、放置すると何が起こる? 見過ごせないリスクと早期受診の重要性

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こる病気です。子供の頃にかかった水疱瘡(水痘)のウイルスが、神経節に潜伏しており、免疫力が低下した際に再び活性化することで発症します。初期症状は、チクチク、ピリピリとした神経痛のような痛みから始まることが多く、数日後には赤い発疹が現れます。この発疹は、水疱となり、やがてかさぶたへと変化していきます。

「なんだか少し痛いだけだし、市販薬で様子を見よう」「疲れているだけだろう」と安易に考え、帯状疱疹を放置してしまうと、後々深刻な事態を招く可能性があります。この記事では、帯状疱疹を受診せずに放置した場合に起こりうるリスクについて、具体的に解説します。

1. 帯状疱疹後神経痛(PHN):終わらない痛みの悪夢

帯状疱疹の最も恐ろしい合併症の一つが、帯状疱疹後神経痛(Postherpetic Neuralgia:PHN)です。これは、帯状疱疹の発疹が治った後も、数ヶ月、場合によっては数年以上にわたり痛みが続く状態を指します。

痛みの種類も様々で、焼けるような痛み、電気が走るような痛み、ズキズキとした痛みなど、個人差があります。また、軽微な刺激(服が擦れる、風が当たるなど)でも激痛が走ることもあり、日常生活に大きな支障をきたします。睡眠障害、抑うつ状態、活動意欲の低下などを引き起こし、QOL(生活の質)を著しく損なう可能性があります。

帯状疱疹後神経痛は、治療が非常に難しく、痛みを完全にコントロールできないことも少なくありません。早期に適切な治療を受けることで、帯状疱疹後神経痛への移行リスクを大幅に下げることができます。

2. その他の合併症:視覚・聴覚への影響

帯状疱疹は、顔面や頭部に発症することもあります。特に、目の周りに発症した場合(眼部帯状疱疹)は、角膜炎、ぶどう膜炎、視神経炎などを引き起こし、視力低下や失明に至る可能性もあります。また、耳の周りに発症した場合(耳性帯状疱疹)は、難聴、耳鳴り、顔面神経麻痺などを引き起こすことがあります。

これらの合併症は、早期に適切な治療を受けなければ、後遺症が残る可能性が高くなります。少しでも異変を感じたら、すぐに眼科や耳鼻咽喉科を受診することが重要です。

3. 慢性化と精神的な負担

帯状疱疹の痛みを放置すると、慢性的な痛みとして体に記憶されてしまうことがあります。慢性的な痛みは、神経の過敏化を引き起こし、より痛みを強く感じやすくなるという悪循環を生み出します。また、長期間にわたる痛みは、精神的な負担も大きく、うつ病や不安障害などの精神疾患を引き起こす可能性もあります。

早期受診こそが最善の対策

帯状疱疹は、早期に抗ウイルス薬を投与することで、ウイルスの増殖を抑え、症状の悪化を防ぐことができます。また、鎮痛剤や神経ブロック療法などを併用することで、痛みを緩和し、帯状疱疹後神経痛への移行リスクを下げることができます。

「もしかして帯状疱疹かも?」と思ったら、自己判断せずに、すぐに皮膚科を受診してください。早期発見と適切な治療こそが、帯状疱疹の苦しみから解放されるための最善の対策です。痛みを我慢したり、放置したりせずに、積極的に医療機関を受診し、専門家の指示に従いましょう。

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