長期間車に乗らない時はガソリンは満タンにするべき？

長期間乗らない車のガソリン、満タンにするべき？それとも空にした方が良い？この疑問は、多くの車オーナーを悩ませる問題です。結論から言うと、長期間（数ヶ月以上）車を保管する場合は、ガソリンは満タンにするべきではありません。むしろ、ある程度の量を残すのが最適な方法です。これは、ガソリンの性質と、車の状態保全という二つの観点から説明できます。

まず、ガソリンは揮発性のある液体です。時間と共に、成分が変化し、劣化します。この劣化は、ガソリンの品質低下だけでなく、エンジン内部に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、エタノールを含むガソリンは、劣化が早く、ゴム製の燃料ホースやパッキンなどを傷める可能性があります。満タンの状態だと、劣化によって発生するガソリンの成分変化の影響を大きく受けることになります。劣化ガソリンを使用すると、エンジン不調や始動不良といったトラブルにつながるリスクが高まります。

一方で、ガソリンが全く無い状態も好ましくありません。燃料ポンプは、ガソリンを冷却材として利用しています。ガソリンが全く無いと、ポンプが空回りし、故障の原因となる可能性があります。さらに、燃料タンク内部は、常に大気圧の影響を受けます。ガソリンが全く無いと、タンク内に結露が発生しやすく、サビや腐食を引き起こす可能性もあります。特に、古い車や、燃料タンクの防錆処理が不十分な車は、このリスクが高まります。

では、最適なガソリンの量はどのくらいでしょうか？一般的には、燃料タンクの1/4程度を目安にするのが良いでしょう。これにより、燃料ポンプの冷却と、タンク内の結露発生の抑制という二つのメリットを得られます。また、1/4程度のガソリンであれば、長期間放置しても劣化による影響を最小限に抑えることが可能です。

ただし、保管期間やガソリンの種類、車の状態によっては、この目安が変わる可能性もあります。例えば、非常に古い車や、燃料系統に問題を抱えている車は、専門家に相談して最適なガソリン量を決めることが重要です。また、保管場所の環境も考慮する必要があります。高温多湿の環境では、ガソリンの劣化が早まるため、より少ないガソリン量で保管する方が安全です。

最後に、長期間保管する際には、ガソリンの量だけでなく、バッテリーの取り外しや、タイヤの空気圧調整なども忘れずに行いましょう。これらと併せてガソリンの量を適切に管理することで、愛車を長持ちさせることができます。 長期保管は、車の状態維持に非常に重要な期間です。適切なガソリン量の管理は、その維持管理の一環として、決して軽視すべきではありません。 手間を惜しまず、適切な処置を行うことで、安心して車を再始動させることができます。