住民票を抜くと国保はどうなる？

住民票を抜くと国保はどうなる？ 海外転出と健康保険

海外転出に伴い住民票を抜くと、日本の国民健康保険（国保）の加入義務はなくなります。日本は国民皆保険制度を採用しており、通常は住民登録のあるすべての人が国保か社会保険に加入しなければなりません。しかし、住民票を抜くということは日本での居住実態がなくなることを意味し、同時に国保の加入要件も失うことになります。

では、具体的に住民票を抜く前後にどのような手続きが必要で、どのような点に注意すべきでしょうか？

住民票を抜く前

• 国保の資格喪失手続き： 市区町村役場の窓口で手続きを行います。必要な書類は、住民票、保険証、印鑑などです。手続きが完了すると、資格喪失証明書が発行されます。この証明書は、海外の医療機関で日本の保険に加入していたことを証明する際に必要となる場合があるので、大切に保管しましょう。
• 保険料の精算： 資格喪失日が月の途中で発生した場合、日割りで保険料が計算され、過払い分があれば還付されます。逆に未納分があれば支払う必要があります。
• 海外旅行保険への加入： 国保の資格喪失後は、海外で病気やケガをした場合、高額な医療費を自己負担しなければなりません。そのため、海外旅行保険への加入は必須です。渡航先や期間、保障内容などをよく確認し、自分に合った保険を選びましょう。

住民票を抜いた後

• 日本の医療機関の利用： 住民票を抜くと国保の資格を失うため、原則として日本の医療機関を利用する際は全額自己負担となります。ただし、一時帰国中に病気やケガをした場合など、緊急の場合は例外的に保険適用となる場合もあります。詳しくは、加入していた市区町村の国保担当窓口に問い合わせましょう。
• 再入国時の手続き： 再び日本に住民登録をする場合は、改めて国保または社会保険への加入手続きが必要です。加入手続きは、住民登録をした日から14日以内に行う必要があります。

注意点

• 短期の海外滞在： ３ヶ月以内の短期の海外滞在で住民票を抜かない場合は、国保の資格は継続されます。ただし、海外での医療費は全額自己負担となるため、海外旅行保険への加入は必要です。
• 家族の保険： 世帯主が住民票を抜いた場合、扶養されていた家族も国保の資格を失います。家族も同様に、海外旅行保険への加入や、再入国時の国保加入手続きが必要となります。
• 国民年金： 国民年金は国保とは異なり、住民票の有無に関わらず、日本国籍を有する20歳以上60歳未満の人は加入義務があります。海外転出する場合、任意継続、免除、納付猶予などの制度を利用することができます。

まとめ

海外転出により住民票を抜くことは、国保の資格喪失につながります。手続きを怠ると、思わぬトラブルに発展する可能性があります。海外転出が決まったら、早めに市区町村役場の窓口に相談し、必要な手続きを確認しましょう。また、海外旅行保険への加入は必須です。安心して海外生活を送るために、事前の準備をしっかりと行いましょう。

海外転出と健康保険に関する情報は、厚生労働省や各自治体のウェブサイトでも確認できます。必要に応じて、これらの情報源も活用しましょう。 スムーズな海外転出と、新たな生活のスタートを応援しています。

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