イグニッションコイルが古くなるとどうなる?

6 ビュー

イグニッションコイルの劣化は、十分な高電圧を生成できなくなる原因となります。スパークプラグへの電圧供給不足はエンジンの不調を招き、最終的には始動困難に繋がります。もしエンジン始動時の違和感や、以前よりかかりが悪くなったと感じたら、イグニッションコイルの劣化を疑うべきでしょう。

コメント 0 好き

イグニッションコイルの老化:愛車の心臓部で何が起こっているのか?

車は私たちの生活に欠かせない存在ですが、その心臓部とも言えるエンジンは、様々な部品の複雑な連携によって動いています。その中でも、ガソリンエンジンにおいてスパークプラグに高電圧を供給し、混合気を爆発させる重要な役割を担っているのがイグニッションコイルです。しかし、このイグニッションコイルも時間の経過とともに劣化し、様々な不具合を引き起こす可能性があります。では、イグニッションコイルが古くなると具体的にどのようなことが起こるのでしょうか?

イグニッションコイルの内部は、一次コイルと二次コイルが鉄心に巻かれた構造になっています。エンジン始動時には、バッテリーからの12V程度の電圧が一次コイルに供給されます。そして、イグニッションシステムによって一次コイルへの通電が遮断されると、二次コイルに数万ボルトもの高電圧が発生し、スパークプラグへと送られます。この高電圧によってスパークプラグが火花を散らし、混合気に点火することでエンジンが駆動するのです。

しかし、長年の使用や過酷な環境下での運転によって、イグニッションコイル内部の絶縁体が劣化したり、コイル自体が損傷することがあります。このような劣化が起こると、以下の様な症状が現れる可能性があります。

  • エンジンのかかりが悪くなる: イグニッションコイルが劣化すると、十分な高電圧を生成できなくなります。結果としてスパークプラグでの火花が弱くなり、混合気がうまく燃焼しないため、エンジン始動に時間がかかったり、最悪の場合はエンジンがかからなくなることがあります。特に寒い時期や湿度の高い日には、この症状が顕著に現れる傾向があります。

  • アイドリングが不安定になる: 劣化によって供給電圧が不安定になると、アイドリング中にエンジン回転数が不規則に変動したり、振動が大きくなることがあります。これは、混合気の燃焼状態が不安定になっていることを示しています。

  • 加速不良、出力低下: 加速時に力が入らなかったり、以前と比べてスピードが出にくくなった場合も、イグニッションコイルの劣化が疑われます。十分な高電圧が供給されないと、エンジンの出力が低下し、スムーズな加速が得られなくなります。

  • 燃費の悪化: 混合気が完全に燃焼しないと、燃費が悪化する原因となります。イグニッションコイルの劣化もその一因となる可能性があります。

  • チェックエンジンランプの点灯: イグニッションコイルの不具合は、車の自己診断システムによって検知され、チェックエンジンランプが点灯することがあります。ランプが点灯した場合は、速やかに専門業者に点検を依頼しましょう。

これらの症状が現れた場合、イグニッションコイルの劣化が疑われます。放置すると、エンジンへの負担が増大し、更なるトラブルを引き起こす可能性があります。早期発見、早期交換が大切です。

イグニッションコイルの寿命は、車種や使用環境によって異なりますが、一般的には5万キロから10万キロ程度と言われています。定期的な点検を行い、必要に応じて交換することで、エンジンの良好な状態を保ち、安全で快適なドライブを楽しむことができます。また、高回転を多用するような運転を続けると、イグニッションコイルへの負担が大きくなり、寿命を縮める原因となります。日頃から適切な運転を心がけることも重要です。

愛車の健康状態を維持するためにも、イグニッションコイルの状態に気を配り、適切なメンテナンスを行いましょう。

#イグニッションコイル #エンジン不調 #車の故障