CM方式では誰が責任を負うのですか?

132 閲覧数
CM方式では、総合工事業者ではなく、発注者と施工業者がそれぞれ工事の完成に関する責任とリスクを分担します。具体的には、発注者は工事全体の完成リスクを負い、施工業者は施工に伴う責任を負うのが一般的です。
フィードバック 0 いいね数

CM方式における責任分担:発注者、CM、施工業者それぞれの役割とリスク

CM(Construction Management)方式は、建設プロジェクトの成功を導くための効果的な手法として注目を集めていますが、従来の設計・施工一括請負方式とは異なる責任分担構造を持つため、関係者それぞれの役割とリスクの理解が不可欠です。本稿では、CM方式において、発注者、CM、そして複数の施工業者それぞれがどのような責任を負うのか、具体的に解説します。

まず、最も重要なのは、CM方式では発注者がプロジェクト全体の成功に対する最終的な責任を負うということです。これは、従来方式と大きく異なる点です。設計図書の作成、予算管理、スケジュール管理、品質管理、安全管理といったプロジェクト遂行に関わる全ての事項において、発注者は最終的な意思決定権を持ち、その結果に対する責任を負います。これは、プロジェクト全体の成功を確保するための発注者の強いコミットメントを必要とします。発注者は、プロジェクトの目的を明確に設定し、その達成に向けてCMや施工業者を適切に指導・監督する必要があります。

CM(建設マネジメント)は、発注者の代理として、プロジェクト全体を管理・監督する役割を担います。CMは、発注者の意図を正確に把握し、最適な設計・施工計画を立案し、その実行を監督します。具体的には、以下の責任を負います。

  • 計画段階:プロジェクトの目的、スケジュール、予算、品質基準などを明確化し、発注者と協議しながら計画を策定します。適切な施工業者を選定するための支援も行います。
  • 設計段階:設計図書のレビュー、設計変更の管理、設計プロセスにおけるコスト管理などを担当します。
  • 施工段階:施工業者の選定、施工進捗管理、品質管理、安全管理、コスト管理などを監督します。問題発生時の迅速な対応も重要な役割です。
  • 竣工段階:竣工検査、引渡し、保証期間中の対応など、プロジェクト完了まで責任を負います。

CMの責任は、発注者の代理として、プロジェクト全体を円滑に進めることです。そのため、CMは、高度な専門知識と経験、そして優れたコミュニケーション能力を必要とします。また、CMは、客観的な立場を維持し、発注者と施工業者間の調整役として機能することも求められます。

一方、施工業者は、契約した範囲の工事について責任を負います。これは、従来方式と同様です。CM方式においては、複数の施工業者がそれぞれ専門分野を担当することが多く、各施工業者は、自らが請け負った部分の設計・施工・品質管理について責任を負います。当然、安全管理についても、それぞれの担当範囲において責任を負います。CMは、これらの施工業者間の調整を行い、工事全体の整合性を確保する役割も担います。

CM方式においては、責任分担が明確化されているとはいえ、プロジェクト全体のリスクは発注者が最終的に負います。そのため、発注者は、CMの選定、施工業者の選定、そしてプロジェクト全体を綿密に管理する必要があります。適切なリスク管理計画を策定し、リスク発生時の対応策を事前に準備しておくことも不可欠です。

まとめると、CM方式では、発注者、CM、そして複数の施工業者それぞれが明確な責任と役割を分担することで、プロジェクトの成功を目指します。しかし、最終的な責任は発注者にあることを理解し、綿密な計画と管理体制を構築することが、CM方式を成功させる鍵となります。 発注者は、単なる資金提供者ではなく、プロジェクトのリーダーとして積極的にプロジェクトに関与することが求められます。

この責任分担の明確化によって、従来方式に比べて、より効率的で透明性の高いプロジェクト運営が可能となる点が、CM方式の大きなメリットです。しかし、その一方で、関係者間の連携とコミュニケーションが非常に重要であり、関係者全員が責任と役割を理解し、協力することが成功の条件となります。