扶養内 月88000円超えたらどうなる？

扶養内で働く場合、月収8万8千円を超えるとどうなるのか？多くの人が抱く疑問です。単純に「8万8千円を超えたら扶養から外れる」というのは誤解であり、実際はもう少し複雑です。本稿では、この問題について、法律や制度に基づいて詳しく解説します。

まず重要なのは、「扶養から外れる」という表現自体が曖昧である点です。正確には、「扶養家族の範囲から外れる」のではなく、「社会保険（健康保険、厚生年金保険）の被扶養者資格を失う」ということです。扶養家族としての税制上の優遇措置は、社会保険の被扶養者資格とは独立して存在します。つまり、社会保険の被扶養者資格を失っても、税制上の扶養控除が適用される可能性は残されているのです。ただし、これはケースバイケースであり、配偶者の収入や家族構成、その他の所得状況によって大きく異なります。

月収8万8千円という数字は、配偶者の健康保険の被扶養者資格を維持できる収入の目安として広く知られていますが、これはあくまで目安です。実際には、各保険者の規定によって多少の差異があります。そして、最も重要な点は、その金額を超えた時点で、直ちに被扶養者資格を失うわけではないということです。

多くの場合、社会保険加入義務の発生は、雇用契約を締結した時点、つまり雇用契約書に月収8万8千円を超える金額が明記されている時点から発生します。仮に、1ヶ月だけ8万8千円を超えたとしても、それが一時的なもので、翌月以降は8万8千円以下に収まる見込みであれば、必ずしも被扶養者資格を失うとは限りません。しかし、3ヶ月連続で8万8千円を超える見込みがある場合は、雇用主は社会保険への加入手続きを行う義務を負います。 これは、社会保険法で定められています。

従って、問題の本質は「月収が8万8千円を超えたかどうか」ではなく、「雇用契約で定められた月収が8万8千円を超えているか」そして「その状態が継続する見込みがあるか」ということです。パートやアルバイトなどの雇用形態に関わらず、このルールは適用されます。

雇用主は、雇用契約時に被扶養者であるか否かを従業員に確認する義務があり、従業員は正確に申告する必要があります。虚偽の申告は、後々大きな問題に発展する可能性があります。万が一、申告漏れや虚偽申告が発覚した場合、保険料の追納だけでなく、罰則が科せられることもあります。

月収が8万8千円を超える見込みがある場合、雇用主に正直に相談し、社会保険の手続きについて確認することが大切です。自分自身で判断せず、専門家（社会保険労務士など）に相談するのも一つの方法です。

最後に、扶養の範囲、社会保険、税制上の優遇措置など、それぞれ異なる基準で判断されることを改めて強調しておきます。自身の状況を正確に把握し、専門家のアドバイスを得ながら、適切な手続きを進めることが重要です。安易な判断は、後々のトラブルにつながる可能性があることを忘れずに、慎重に対応しましょう。

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