MT免許のデメリットは？

MT免許取得、本当に必要？ 後悔しないために知っておくべきデメリット

MT（マニュアルトランスミッション）免許、通称「普通免許」は、AT（オートマチックトランスミッション）限定免許に比べて運転できる車種の幅が広がるという魅力があります。しかし、取得を検討する際には、そのデメリットもしっかりと理解しておくことが重要です。AT限定免許に比べて費用と時間がかかるだけでなく、現代の自動車事情を考慮すると、MT免許取得が必ずしもメリットになるとは言い切れない側面も存在します。

1. 時間と費用の負担増：AT限定との比較

MT免許取得の一番大きなデメリットは、AT限定免許に比べて教習時間と費用が大幅に増えることです。AT限定免許であれば最短で教習を終えられる場合でも、MT免許ではクラッチ操作やギアチェンジなど、習得すべき技術が多いため、教習時間が長引く傾向にあります。

• 教習時間: AT限定免許が最短で31時限の学科教習と技能教習なのに対し、MT免許は最短で34時限が必要です。これはあくまで最短であり、個人差や教習所の混雑状況によってはさらに時間がかかることもあります。
• 費用: 教習時間が増える分、教習料金も高くなります。一般的に、AT限定免許よりもMT免許の方が数万円程度高くなることが多いです。仮に、一発試験で免許を取得する場合でも、車両の準備や練習時間など、それなりの費用が発生します。

2. 操作の複雑さとエンストのリスク

MT車はAT車に比べて操作が複雑で、特に発進時や坂道発進時などにはクラッチ、アクセル、ギアチェンジを同時に操作する必要があります。これらの操作に慣れるまでは、エンスト（エンジンストール）してしまうことも珍しくありません。エンストは、特に交通量の多い場所や急な坂道などでは危険を伴う可能性もあります。

• クラッチ操作の習得: クラッチ操作は、MT車独特の操作であり、スムーズな発進やギアチェンジには熟練が必要です。教習所では丁寧に教えてもらえますが、路上に出るとプレッシャーもあり、練習通りにいかないこともあります。
• 坂道発進の難易度: 坂道発進は、エンストしやすい状況の一つです。クラッチ操作を誤ると、車が後退してしまう危険性もあります。

3. 国内におけるMT車の減少と活用機会の低下

近年、国内で販売される自動車のほとんどがAT車であり、MT車の販売台数は減少傾向にあります。そのため、MT免許を取得しても、実際にMT車を運転する機会が少ないという人も少なくありません。

• レンタカー事情: レンタカーでMT車を探すのは難しく、あったとしても選択肢は限られます。
• 将来的な自動車の進化: 電気自動車（EV）や自動運転技術の発達により、将来的にはMT車がさらに減少していく可能性があります。

4. 日常運転における負担感

AT車に比べてMT車は、渋滞時など頻繁にギアチェンジが必要な場面では、運転の負担が大きくなります。特に都市部での運転が多い場合は、MT車よりもAT車の方が快適に運転できるでしょう。

結論：本当に必要か？慎重な検討を

MT免許の取得は、運転できる車種の幅を広げるというメリットがある一方で、時間と費用がかかり、操作も複雑で、活用機会が減っているというデメリットも存在します。これらの点を総合的に考慮し、ご自身の運転環境やライフスタイル、将来的な自動車事情などを踏まえて、MT免許を取得するかどうかを慎重に検討することが重要です。もし、運転する機会がAT車に限られるのであれば、AT限定免許を取得し、必要になった時に限定解除を検討するという選択肢も十分にあり得ます。

最終的には、ご自身のニーズに合った免許を選択することが、後悔しないための最良の方法と言えるでしょう。

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