走行中にシフトのBに入れるとどうなる？

走行中にシフトを「B」に入れるとどうなる？ その影響と注意点

運転中にシフトレバーを誤って、あるいは意図的に「B（ブレーキ）」レンジに入れてしまった経験はありませんか？ 通常のDレンジでの走行中に「B」レンジに入れると、どのような影響があるのでしょうか？

「B」レンジは、主にオートマチック車に搭載されているエンジンブレーキを活用するためのポジションです。長い下り坂でフットブレーキを多用すると、ブレーキパッドの過熱によるフェード現象（ブレーキが効かなくなる現象）や、ブレーキオイルのベーパーロック現象（ブレーキオイル内に気泡が入り、ブレーキが効かなくなる現象）を引き起こす可能性があります。「B」レンジを使用することで、エンジン自体を抵抗として活用し、車速を抑制することでこれらのリスクを軽減できます。

では、走行中にDレンジからBレンジにシフトチェンジした場合、具体的に何が起こるのでしょうか？

• 急激な減速: 最も顕著な変化は、アクセルを離すとエンジンブレーキが強く効き、車速が急激に低下することです。特に高速走行中に操作すると、後続車に追突される危険性が高まります。周囲の交通状況を十分に確認し、安全な範囲で徐々に減速するようにしてください。
• エンジンへの負担: エンジンブレーキはエンジンに負荷をかけるため、頻繁な使用はエンジン寿命を短くする可能性があります。特に高回転時に「B」レンジに入れると、エンジンに大きな負担がかかり、故障の原因になることも考えられます。
• オートマチックトランスミッションへの影響: オートマチックトランスミッションは複雑な構造をしており、急激なシフトチェンジは内部部品に負担をかけ、故障の原因となる可能性があります。極端な例では、トランスミッションがロックしてしまう可能性も否定できません。
• 燃費の悪化: エンジンブレーキを使用する際、エンジンは燃料カットを行うため、一見燃費が向上するように思えます。しかし、「B」レンジはDレンジよりも低いギア比で走行するため、全体的な燃費は悪化する傾向にあります。

注意点:

• 緊急時以外は避ける: 通常の走行時には「B」レンジの使用は控えるべきです。特に、平坦な道や緩やかな下り坂ではDレンジのままアクセル操作で速度調整を行う方が安全です。
• 速度と回転数に注意: シフトチェンジを行う際は、速度とエンジン回転数を確認し、急激な変化を避けるようにしてください。メーターを確認し、エンジンに過剰な負担がかからないように注意しましょう。
• 取扱説明書を確認: 車種によって「B」レンジの特性や注意点が異なります。必ず取扱説明書を確認し、正しい使用方法を理解しましょう。

「B」レンジは、適切な状況で使用すれば非常に有効な機能です。しかし、誤った使い方をすると、事故や故障の原因となる可能性があります。上記の注意点を理解し、安全な運転を心がけましょう。

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