ひき逃げの同乗者にも責任はありますか？

ひき逃げにおける同乗者の責任

道路交通法第72条は、「運転者その他乗務員」が交通事故の責任を負うと規定しています。この「その他乗務員」には、運転者以外の同乗者も含まれます。したがって、ひき逃げ事件では、運転者だけでなく同乗者にも法的責任が発生します。

同乗者の義務

同乗者は、運転者と同様の義務を負います。具体的には、以下のような義務があります。

• 事故発生時の状況を把握する
• 負傷者への応急処置を行う（応急救護義務）
• 警察に通報する（道路交通法第72条の2）

黙認・隠蔽行為の責任

同乗者が事故を黙認したり、隠蔽したりした場合、共犯として処罰される可能性があります。共犯とは、犯罪の計画や実行に協力した者です。

ひき逃げの場合、同乗者が事故を黙認したり、隠蔽したりすると、以下のような罪に問われます。

• 逃走幇助罪（刑法第104条の2）

逃走幇助罪とは、犯罪を犯した者を逃亡させるために助力した罪です。具体的には、次のような行為が該当します。

• 犯人を匿う
• 犯人の逃亡資金を提供する
• 犯人の逮捕を妨害する

同乗者の法的責任の範囲

同乗者の責任の範囲は、事故当時の状況によって異なります。以下のような要素が考慮されます。

• 同乗者は事故を認識していたか
• 同乗者は運転者に事故を認識する機会を与えることができたか
• 同乗者は事故防止のために何か行動を起こしたか

たとえば、同乗者が事故当時、居眠りをしていて事故を認識していなかった場合は、責任が免除される場合があります。しかし、同乗者が事故を認識していたにもかかわらず、黙認したり、隠蔽したりした場合には、重い責任が問われます。

まとめ

ひき逃げ事件では、運転者だけでなく同乗者にも法的責任が発生します。同乗者は、事故発生時の状況を把握し、警察に通報するなど、運転者と同様の義務を負います。黙認や隠蔽行為は共犯として処罰され、逃走幇助罪にも問われる可能性があります。

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