給料明細を渡さない会社は違法ですか?

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給与明細の発行は法律で義務付けられています。未発行の場合、所得税法違反となり罰則の対象です。具体的には、所得税法242条7号に基づき、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。虚偽記載も同様に罰則の対象となります。

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給与明細を発行しない会社は違法?労働者の権利と企業の義務

給与明細は、賃金の額や控除額が記載された、労働者にとって重要な書類です。毎月当たり前のように受け取っている方も多いと思いますが、「うちの会社は明細をくれない」「紙ではなくデータで渡される」という場合、違法なのでしょうか?

結論から言えば、給与明細の発行は、原則として違法です。

労働基準法では、賃金の支払に関する事項を記載した書面を労働者に交付する義務が、雇用主に課せられています。つまり、どのような名目でお金が支払われ、何が控除されているのかを明確にする必要があるのです。

なぜ給与明細の発行が必要なのか?

給与明細は、労働者にとって以下のような重要な役割を果たします。

  • 賃金の正確性確認: 支給された賃金が、労働時間や契約内容と合致しているかを確認できます。
  • 控除額の確認: 社会保険料、税金、積立金など、何がどれだけ控除されているかを確認できます。
  • 将来の生活設計: 年金や退職金などの計算に役立つ情報を得ることができます。
  • 確定申告: 所得税の確定申告に必要な情報が記載されています。
  • 労働条件の証拠: 賃金の支払に関する証拠として、万が一のトラブル発生時に役立ちます。

給与明細を発行しない場合、企業はどのような罰則を受けるのか?

労働基準法違反として、30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また、労働基準監督署からの是正勧告や指導を受けることもあります。

冒頭で言及された所得税法違反(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)は、源泉徴収義務者が給与支払報告書などの提出義務を怠った場合などに適用されるもので、給与明細の不発行とは直接的な関係はありません。

データでの明細交付は問題ないのか?

近年、ペーパーレス化の流れを受け、給与明細を電子データで交付する企業が増えています。労働者が同意している場合、データでの交付は違法ではありません。 ただし、労働者が希望すれば、紙媒体での交付も受けられる必要があります。

もし給与明細を発行してもらえない場合は?

まず、会社に発行を求めることが重要です。それでも対応してくれない場合は、以下の機関に相談することを検討しましょう。

  • 労働基準監督署: 労働基準法違反の疑いがある場合、相談や申告ができます。
  • 労働組合: 組合に加入していれば、会社との交渉を依頼できます。
  • 弁護士: 法的なアドバイスや交渉を依頼できます。

給与明細は、労働者の権利を守るための重要な書類です。発行されない場合は、泣き寝入りせずに、適切な対応を取りましょう。

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