癌で障害者手帳がもらえるケースは？

がん治療後の後遺症で障害者手帳が交付されるケースとは？

がん治療は、時に私たちの体に大きな負担をかけ、治療後も様々な後遺症が残ることがあります。その中でも、日常生活に著しい支障をきたす後遺症が残った場合、障害者手帳の交付を受けられる可能性があります。しかし、「がん」という病名だけで自動的に交付されるわけではありません。あくまでも、後遺症によって生じる具体的な症状と、それが日常生活にどれほど影響を与えているかが重要な判断基準となります。

障害者手帳とは？

障害者手帳は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の３種類があり、それぞれ対象となる障害の種類が異なります。がん治療後の後遺症で交付が検討されるのは、主に身体障害者手帳です。これは、身体機能の障害によって日常生活や社会生活に著しい制限を受ける場合に交付されます。

どのような場合に交付される可能性があるのか？

がんの種類や治療方法によって、後遺症の現れ方は様々ですが、一般的に以下のようなケースが考えられます。

• 人工膀胱・人工肛門の装着: 膀胱がんや直腸がんの手術によって、人工膀胱や人工肛門を装着した場合、排泄機能の障害として認定される可能性があります。装具の管理や交換、排泄のコントロールなど、日常生活における負担が大きいと判断される場合、障害者手帳の交付対象となることがあります。

• 肢体不自由: がんの手術や放射線治療、抗がん剤治療などが原因で、手足の麻痺や関節の可動域制限などが生じ、日常生活に支障をきたす場合も、障害者手帳の交付が検討されます。特に、歩行や食事、着替えなど、基本的な動作が困難になる場合は、認定される可能性が高まります。

• 言語機能障害: 喉頭がんや舌がんの手術、放射線治療などによって、発声や嚥下（飲み込み）に障害が生じた場合、言語機能障害として認定される可能性があります。コミュニケーションが困難になることで、社会生活にも大きな影響を及ぼすため、障害者手帳の交付対象となることがあります。

• 化学療法による神経障害: 抗がん剤治療によって、手足のしびれや痛み（末梢神経障害）が生じ、日常生活に支障をきたす場合も、障害者手帳の交付が検討されます。特に、細かい作業が困難になったり、歩行が不安定になったりする場合は、認定される可能性が高まります。

• 呼吸器機能障害: 肺がんの手術や放射線治療、抗がん剤治療などによって、呼吸機能が低下し、日常生活に支障をきたす場合も、障害者手帳の交付が検討されます。階段の上り下りが困難になったり、日常生活で息切れを感じたりする場合は、認定される可能性が高まります。

申請の手続き

障害者手帳の申請は、お住まいの市区町村の福祉担当窓口で行います。申請には、医師の診断書や身体障害者手帳交付申請書などが必要となります。申請書類や手続きの詳細については、事前に福祉担当窓口に確認することをおすすめします。

重要なポイント

• 医師の診断書: 障害者手帳の交付には、医師の診断書が非常に重要です。診断書には、障害の種類や程度、日常生活への影響などが具体的に記載されている必要があります。

• 日常生活への影響: 障害者手帳の交付は、単に病名や障害があるというだけでなく、日常生活にどれだけ影響が出ているかで判断されます。申請時には、具体的な困り事や日常生活における支障などを詳しく伝えることが大切です。

• 自治体による基準の違い: 障害者手帳の交付基準は、自治体によって異なる場合があります。そのため、申請前に必ずお住まいの市区町村の福祉担当窓口に確認するようにしましょう。

障害者手帳を取得することで、医療費の助成や公共交通機関の割引、税金の控除など、様々な福祉サービスを受けることができます。がん治療後の後遺症で生活に困難を感じている場合は、一度、障害者手帳の申請を検討してみてはいかがでしょうか。

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