源泉徴収票の提出は義務ですか？

源泉徴収票の提出義務：会社と従業員、それぞれの視点から

源泉徴収票は、会社と従業員にとって重要な書類です。会社は従業員の給与から所得税を源泉徴収し、その内容を記載した源泉徴収票を従業員に交付する義務があります。一方、従業員は源泉徴収票を確定申告に使用します。では、それぞれの立場から見た源泉徴収票の提出義務について詳しく見ていきましょう。

会社側の義務：源泉徴収票の作成と交付

会社は、所得税法に基づいて、以下の義務を負っています。

• 源泉徴収義務: 従業員に給与を支払う際、所得税を源泉徴収する義務があります。
• 源泉徴収票の作成義務: 従業員に支払った給与、源泉徴収した所得税額、社会保険料などを記載した源泉徴収票を作成する義務があります。
• 源泉徴収票の交付義務: 作成した源泉徴収票を、原則として翌年の1月31日までに従業員に交付する義務があります。退職した従業員には、退職後1か月以内に交付する必要があります。
• 税務署への提出義務: 源泉徴収票の内容を記載した「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を、翌年の1月31日までに税務署に提出する義務があります。

これらの義務を怠ると、罰則が科せられる可能性があります。例えば、源泉徴収を怠った場合、本来納めるべき税額に加えて不納付加算税が課せられます。また、源泉徴収票の交付を怠った場合、法定調書不提出加算税が課せられることがあります。

従業員側の義務：確定申告における利用

従業員は、会社から交付された源泉徴収票を確定申告で使用します。確定申告は、個人の所得と税金を申告する手続きで、源泉徴収された税額と実際の税額を精算するために行われます。

• 確定申告の必要性: 以下のいずれかに該当する場合、確定申告が必要となることが多いです。
  • 年末調整を受けていない場合（年の途中で退職した場合など）
  • 給与所得以外に所得がある場合（不動産収入、株の売買益など）
  • 医療費控除、住宅ローン控除など、各種控除を適用したい場合
  • 給与所得が2,000万円を超える場合
• 源泉徴収票の重要性: 源泉徴収票には、確定申告に必要な情報が全て記載されています。紛失したり、汚損したりしないように大切に保管する必要があります。

源泉徴収票を受け取れない場合：税務署への相談

会社が源泉徴収票の交付を怠る場合、従業員は確定申告に必要な書類を入手することができません。そのような場合は、まず会社に交付を依頼することが重要です。それでも交付されない場合は、税務署に相談しましょう。税務署は、会社に対して源泉徴収票の交付を指導し、適正な税務処理を促します。また、税務署は、源泉徴収票がなくても確定申告ができるよう、可能な範囲でサポートしてくれます。

まとめ

源泉徴収票は、会社と従業員双方にとって重要な書類です。会社は源泉徴収票の作成と交付の義務を負い、従業員は確定申告でそれを利用します。もし源泉徴収票を受け取れない場合は、放置せずに税務署に相談することが大切です。源泉徴収票に関する知識を持つことは、適正な税務処理を行う上で不可欠と言えるでしょう。

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