インバウンドという言葉 いつから?

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インバウンドは「入ってくる」という意味ですが、観光業界では「訪日外国人観光」を指します。ビジネス用語として定着したのは2010年代初頭。それ以前は、海外からの旅行者を指す言葉としては一般的ではありませんでした。

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インバウンドという言葉、いつから使われるようになった? その背景を探る

インバウンドという言葉が「訪日外国人観光」を指すビジネス用語として広く使われるようになったのは、確かに2010年代初頭からという印象が強いでしょう。しかし、その言葉自体は以前から存在し、その意味も徐々に変化してきました。インターネット上で「インバウンド」という言葉の歴史や変遷を辿り、その背景にある社会的な要因を掘り下げてみましょう。

インバウンドという言葉の起源と初期の使用例

「インバウンド」は、元々英語の”inbound”に由来し、文字通り「内向きの」「入ってくる」という意味を持ちます。物流や通信業界などでは、以前から「着信」「入荷」といった意味で使用されていました。例えば、コールセンター業界では「インバウンドコール」という言葉が、顧客からの電話を意味する言葉として定着していました。

では、観光業界で「インバウンド」が使われ始めたのはいつ頃なのでしょうか?古い資料を遡ると、1980年代から90年代にかけて、海外からの旅行者を指す言葉として、一部の業界関係者や研究者の間で使われていた痕跡が見られます。しかし、この時点では「アウトバウンド(海外旅行)」と比較して、一般的とは言えませんでした。

2010年代初頭のブレイクスルー:背景にある3つの要因

2010年代初頭に「インバウンド」という言葉が急速に広まった背景には、以下の3つの要因が考えられます。

  1. 政府主導の観光振興政策: 2000年代後半から、日本政府は観光立国を目指し、訪日外国人観光客誘致のための政策を積極的に推進しました。ビザ緩和や観光インフラの整備などが進められ、その成果が徐々に現れ始めたのが2010年代初頭です。政府広報や観光関連機関が「インバウンド」という言葉を積極的に使用したことが、一般への浸透を後押ししました。
  2. 円安とアジア経済の成長: リーマンショック後の円安傾向に加え、中国をはじめとするアジア諸国の経済成長が、訪日旅行者の増加に大きく貢献しました。より多くの外国人が日本を訪れるようになり、「インバウンド」という言葉を使う機会が増えたのです。
  3. SNSの普及と情報発信の変化: スマートフォンの普及とSNSの台頭により、個人が気軽に情報発信できる時代になりました。訪日旅行者の体験がSNSを通じて世界中に拡散され、日本への関心が高まりました。企業もSNSを活用したインバウンド向けのマーケティングを積極的に行うようになり、「インバウンド」という言葉がますます一般化しました。

今後のインバウンド:言葉の意味と役割の変化

現在、「インバウンド」は単なる「訪日外国人観光」というだけでなく、経済効果や文化交流、国際理解など、様々な意味合いを含む言葉として認識されています。持続可能な観光の実現や、多様なニーズに対応した観光コンテンツの開発など、インバウンドを取り巻く課題も変化しています。

今後、「インバウンド」という言葉は、どのような意味を持ち、どのような役割を担っていくのでしょうか?単なる経済指標としてだけでなく、文化的な視点や社会的な影響も含めて、その意味を捉え直していく必要があるでしょう。

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