モデムのリセットボタンを押すとどうなる？

モデムのリセットボタンを押すとどうなる？その影響と対処法

インターネット回線に接続するためのモデム。その小さなリセットボタンを押すと、何が起こるのでしょうか？多くの人は、単なる再起動だと思っているかもしれません。しかし、その奥には、思わぬ影響と、設定の再構築が必要となる可能性が隠されています。

モデムのリセットボタンは、通常、モデム本体またはモデムとルーターが一体化されているルーターの背面にあります。小さな穴または小さな突起状になっていることが多いです。このボタンを押すことで、モデムは、内部のすべてのプロセスを一時停止し、初期状態に戻ります。これは、いわば「工場出荷状態」へのリセットです。

具体的には、何が起きるのでしょうか？

• ルーターの再起動: モデムのリセットは、事実上、ルーターの再起動と認識できます。電源が落とされ、再びオンになります。これにより、一時的に発生していた問題、例えば、接続が途切れる、遅いといった症状が解消される可能性があります。
• 設定の初期化: 最も重要な点は、すべての設定がデフォルト値に戻ることです。無線LANのSSID（ネットワーク名）やパスワード、インターネット接続のアカウント情報、さらにはポートフォワードの設定やDMZホストの設定なども、すべて初期化されます。言い換えれば、インターネット接続の設定から、無線LANのセキュリティ設定まで、全てが元に戻されるということです。
• 接続の切断: 当然ながら、インターネットへの接続も途切れます。モデムがリセットされる間、一時的にインターネットへのアクセスはできません。
• IPアドレスの変更: ルーターが再起動することで、モデムが割り当てられていたIPアドレスが変更されます。そのため、接続を再開する際には、新しいIPアドレスを取得する必要があります。これは、ネットワーク上の他の機器との競合を回避するための一般的な動作です。
• 接続設定の再構築が必要: すべての設定がリセットされるため、再度、無線LANの接続設定やインターネット接続の設定を行う必要があります。これは、多くの場合、モデムやルーターの管理画面から行います。

なぜリセットが必要になるのか？

リセットボタンを押す必要がある理由は様々です。

• 接続トラブルの解決: インターネット接続が不安定になったり、接続できないといった問題が起きた際に、一度リセットしてみることで、一時的な不具合を解消できることがあります。
• 設定ミスからの回復: 無線LANのパスワードを間違えて入力したり、インターネット接続の設定を誤って変更したりした場合、リセットすることで、正しい設定に戻すことができます。
• ファームウェアのアップデート後: モデムやルーターのファームウェアをアップデートした後に、不具合が発生した場合、リセットによって初期状態に戻すことで問題を解決できる場合があります。
• 不正アクセスからの保護: 外部からの不正アクセスを受けた場合、リセットすることで、不正な設定を解除することができます。
• システムのコンフリクト解消: 別の機器との間でシステムの競合が発生した場合に有効な手段です。

リセットを実行する際の注意点

リセットによって、接続設定を全て失うことを理解しておきましょう。事前に、接続設定情報をメモしておくと安心です。また、リセットは、モデムの電源が完全にオフになってから行ってください。モデムの電源が完全に切れていないと、リセットの効果が得られない場合があります。

まとめ

モデムのリセットボタンを押すと、ルーターは再起動し、すべての設定が初期化されます。これは、問題解決や設定ミスからの回復に有効な手段ですが、設定情報全てが失われることを念頭に置いておく必要があります。接続設定情報は必ず事前にバックアップしておきましょう。