ネットワークのリセットで何が消えますか？

ネットワークのリセット：失われるもの、失われないもの、そしてその後の対処法

インターネット接続に問題を抱えている時、手軽に試せる解決策として「ネットワークのリセット」が挙げられます。しかし、この操作は一見単純なようで、実際には多くの設定を初期化するため、安易に実行するべきではありません。 では、具体的にネットワークのリセットによって何が消去され、何が維持されるのでしょうか？ そして、リセット後、どのような対処が必要となるのかを詳しく見ていきましょう。

まず、確実に消去される情報として、以下のものが挙げられます。

• 保存済みのWi-Fiパスワード: これまで接続した全てのWi-Fiネットワークのパスワードが消去されます。自宅のWi-Fiはもちろん、カフェや公共施設で接続したネットワークのパスワードも全て再入力が必要になります。パスワード管理アプリを使用している場合でも、アプリ自体が削除されるわけではありませんが、アプリを介して保存されたWi-Fiパスワードはリセットされます。

• VPN設定: VPN（バーチャルプライベートネットワーク）を使用している場合、その設定は完全に削除されます。VPNクライアントソフトは残存する可能性がありますが、接続情報やサーバー設定は全て手動で再設定する必要があります。これは、VPN接続のために設定したユーザー名、パスワード、サーバーアドレスなどが含まれます。

• モバイルホットスポット設定: スマートフォンなどをモバイルホットスポットとして使用している場合、その設定もリセットされます。名前やパスワード、セキュリティ設定などを再設定する必要があるため、モバイルホットスポットを頻繁に使用する方は特に注意が必要です。

• ネットワークプロファイル: 各ネットワーク接続に関する詳細な設定情報（IPアドレス、DNSサーバー、ゲートウェイなど）も消去されます。これらは通常、ユーザーが手動で設定する必要はありませんが、特定のネットワーク環境に合わせてカスタマイズしていた場合、その設定は元に戻ります。

• ネットワークアダプターのドライバー: これはやや複雑な点です。多くの場合、ネットワークアダプター自体のドライバーは削除されません。しかし、デバイスマネージャー上でネットワークアダプターを再インストールするような動作が行われ、設定が初期化されるため、実質的には再インストールされた状態になります。古いドライバーが残存し、問題を引き起こす可能性は低くなります。

一方で、通常は残る情報としては、以下のものが挙げられます。

• オペレーティングシステムのファイル: WindowsやmacOSなどのOSのファイルは削除されません。ネットワークの設定情報だけが削除されるため、OS自体や他のアプリケーションに影響を与えることはありません。

• インターネットブラウザのブックマークや履歴: ブラウザに保存されている情報は、ネットワーク設定とは別物であるため、影響を受けません。

ネットワークのリセット後に行うべきことは、主に以下の通りです。

1. Wi-Fi接続の再設定: 各Wi-Fiネットワークに接続するために、パスワードを再度入力する必要があります。
2. VPN接続の再設定: VPNクライアントソフトを起動し、ユーザー名、パスワード、サーバーアドレスなどを再入力します。
3. モバイルホットスポット設定の再設定: モバイルホットスポット機能を有効化し、必要に応じて名前やパスワードなどを設定します。
4. その他のネットワーク関連の設定の確認: 必要に応じて、プロキシ設定やその他のネットワーク関連の設定を再確認し、必要であれば再設定します。

ネットワークのリセットは、問題解決の有効な手段となる一方で、多くの設定を失うことを意味します。リセットを行う前に、本当に必要な操作であるかを慎重に検討し、必要であれば、設定のバックアップを取っておくことを強く推奨します。 また、リセット後の設定作業にはある程度の時間と知識が必要となるため、事前に必要な情報を用意しておくことも重要です。

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