共用部分の持分は規約で別段の定めはできない?

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区分所有法では、共用部分の持分は専有部分の床面積割合で決定され、規約で変更できません。 この床面積は、専有部分の壁の中心線で囲まれた水平投影面積を指します。規約で異なる定めは法律上無効となります。
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共用部分の持分は規約で別段の定めはできないのか?という疑問は、マンションや集合住宅の区分所有において非常に重要な論点です。一見、管理規約で自由に定められるように思える共用部分の持分ですが、実際は区分所有法によって厳格に規定されており、規約による一方的な変更は許されないケースが多いのです。

前述の通り、区分所有法では、共用部分の持分は原則として専有部分の床面積割合によって決定されます。この「床面積」は、専有部分の各戸を囲む壁の中心線によって区切られた水平投影面積を指し、ベランダやバルコニーといった専有部分に付随する部分も含まれます。 つまり、単純に部屋の広さだけでなく、付帯設備の面積も考慮に入れられるということです。 この計算方法は法律で定められており、規約で独自に算出方法を定めることは、法の趣旨に反するため無効となります。

では、規約で全く変更できないのでしょうか? 完全に不可能というわけではありません。しかし、それは例外的なケースに限られます。例えば、以下の様な状況が考えられます。

  • 当初から特殊な持分比率が設定されていた場合: 建築当初から、何らかの事情(例えば、特定の住戸に大きな負担を負わせる共用施設があるなど)により、床面積割合とは異なる持分比率が設定されていた場合、その比率は維持される可能性があります。しかし、この場合でも、その根拠が明確かつ合理的でなければ無効とされる可能性があります。 単なる恣意的な設定は認められません。

  • 所有者の全員一致による合意変更の場合: 全ての区分所有者(所有者全員)が、新しい持分比率に同意した場合、規約変更によって比率を変更できる可能性があります。これは、法律上の制限を超える合意によるもので、全員の同意が不可欠です。 一人でも反対があれば、変更はできません。 この合意は、単なる「口約束」ではなく、書面による厳格な手続きを経て、法的効力を有するものとして成立する必要があります。

  • 法令に基づく変更の場合: 例えば、増築や改築などにより、共用部分の構成が大きく変化した場合、法令に基づいて持分比率の変更が必要となることがあります。この場合、規約変更は法令に従ったものでなければなりません。

重要な点は、規約が法律に反する規定を含んでいる場合、その規定は無効となるということです。 つまり、たとえ規約に「共用部分の持分は床面積割合に関係なく、以下のように定める」といった条項があったとしても、それが法律の定めと矛盾すれば、その条項は法的効力を持ちません。 裁判になった場合、裁判所は区分所有法の規定を優先して判断します。

したがって、共用部分の持分の変更は、非常に慎重な手続きと、関係者全員の合意が必要となる、極めて高度な問題です。 軽率な規約変更は、後々大きなトラブルに発展する可能性があることを常に認識しておくべきです。 疑問点があれば、専門家(弁護士や不動産鑑定士など)に相談することが重要です。 自己判断で変更を試みることは、避けるべきです。